生麦事件本番3

マーシャルは、やがて先行していたクラークとマーガレットに追いつく。

クラークも深手を負っており、意識が薄れているのを見て、二人に、米国領事館となっている本覚寺に向かうよう指示する。

マーシャル自身は「宮之下河岸の船着き場に向かい、」待たせていた使用人を横浜の外人居留地に急がせ、惨事を伝えさせる。

その後クラークとマーガレットを追い、米国領事館に向かう。

マーガレットはクラークが今にも落馬しそうになるのを見て見限り、横浜まで馬で駆けて行ってしまう。

マーガレットと、マーシャルの使用人が横浜に着いたのはほぼ同時刻。

マーガレットは横浜居留地のガウアの家に飛び込み、惨事を報告する。

クラークも息絶える事なく、なんとか米国領事館に到着する。

そして、マーシャルが領事館に追い付く。

午後三時過ぎだった。

彼等は領事館にて、ヘボン医師の手当てを受ける。

ヘボン医師は宣教師でもあった。
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(目から鱗)

命に別条はなく、やがて救援に来た英国人を頼り、宮之下河岸から舟で横浜に運ばれる。

到着は、夜8時頃。

事件から3時間後、英国の医師かつ神奈川領事であるヴァイス大尉率いる公使館付きの騎馬護衛隊が現場へ向かい、死亡したリチャードソンの遺体を収容して横浜に戻った。

彼らだけの捜索では発見出来ず、一人の少年の案内に頼った。

アメリカ領事館を経由し、W・Gアスピノール宅に運ばれ、午後11時、すぐに検死が行われる。

葬儀は翌日9月15日午後4時。

「横浜の外国人居留民ほぼ全員が出席したと」いわれる。

遺体は横浜の外人墓地に土葬され、今でもそこに眠る。



<紳士であったユージン・ヴァン・リード>